飲食業界のはじまりとこれから

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衣・食・住。
私たちが暮らしていく中で大切なカテゴリーですが、その中のひとつとして「食」はカラダもココロにおいても欠かすことのできないものです。

この「食」に関して、日々自炊をして食事をしている方も多いですが、現代では「飲食店」を利用している方も多いですよね。

ファーストフード店、居酒屋さん、イタリアンのチェーン店…。誰しも1回は飲食店を利用されたことがあると思います。

しかしながら、皆さまは日本の飲食店・飲食業界のはじまりはご存知でしょうか?

どうやって今のような飲食店ができたのか?どう日本の飲食業界は発展してきたのか?
そして今後の飲食業界はどうなっていくのか?

今回はそのルーツを辿りながら、日本の飲食業界のこれからも含めてお話しします。



飲食店のはじまり

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調理された食品を売るというところからになれば、室町時代から見られるようになった、「振り売り(ふりうり)」「棒手振り(ぼてふり)」が飲食店のご先祖になります。

「振り売り」「棒手振り」とは、天秤棒をぶら下げて歩きながら商売をおこなっている人たちを指します。

この振り売りが最も盛んだった時期が江戸時代であり、売り手が移動せず、場所に留まって加熱調理した料理をできたてで売る「煮売屋(にうりや)」「焼売屋(やきうりや)」というかたちが外食のはじまりといわれています。

ここでいう「煮売屋」「焼売屋」は、現代でも見かける屋台をイメージするといいでしょう。

この屋台文化が江戸時代初期に一気に広まり、天ぷらや、寿司、蕎麦など今でも食べられているものがお店ではなく、屋台で食べられていたのです。

特に寿司に関しては、ファストフード感覚で食べられていたようで、「大トロは廃棄されていた」なんていう今では考えられない立ち位置にいました。

そして同じく江戸時代初期、現代でいうとカフェにあたる「茶屋(ちゃや)」と呼ばれるお店が、「奈良茶飯」という定食のようなかたちで売り始めたのが現代の飲食店と同じ形態のきっかけとされています。





飲食業界のはじまり

日本での飲食業界、いわゆる「外食産業」が本格化されたのは戦後から25年経った1970年です。
この年は、大阪万博が開催された年であり、ここから大発展を続けていく外食産業の「外食元年」といわれています。

この「外食元年」に今では外食チェーン店での最大手として君臨する、すかいらーくの1号店が国立の郊外にオープンしました。

1号店なのに、渋谷とか新宿みたいな都心じゃないの!?と思う方もいるのではないでしょうか?

当時の飲食店といえば、繁華街や駅前の商店街に店舗を置くことがセオリーとされてきましたが、駐車場付きの大型レストランという形態が、多くの人々が車を所持するマイカーブームの時代にマッチして、ファミリーレストランがブームになっていきます。

また、すかいらーくだけではなくケンタッキー(1970年)、ロイヤルホスト(1971年)、ミスタードーナツ(1971年)、ロッテリア(1972年)、モスバーガー(1972年)、デニーズ(1974年)と立て続けにチェーン業態の1号店がオープンしていることから、1970年代はまさに外食産業のはじまりといえるでしょう。





これからの飲食業界

ファミリーレストランの普及もありつつ、日本の食文化はどんどん幅広くなりました。

今はイタリアン、フレンチ、中華だけではなく、タイ・ベトナム料理といったエスニックや、素材にピックアップした専門店などもよくみられるようになりました。

特に素材にピックアップした専門店に関しては幅広く、競合店舗との差別化を考えた飲食店が増えている印象がありますね。

また、最近では液体窒素を使った分子ガストロミーや低温調理といった科学の発展により昔では考えられない調理技術がどんどんうまれていき、今まで食べたことのない新しい料理を味わえることがこれからの飲食シーンの楽しみのひとつといえるでしょう。

しかし、機械・AIの発展も著しい現代は飲食業界にも大きな影響を与えることが予想でき、ヒトの代わりにロボットが料理を作って提供する飲食店が出てくる未来はそう遠くはないのかもしれません。

そうなった時に料理人やサービスマンは必要がなくなってしまうのでしょうか…?

いえいえ、決してそんなことはありません。

機械・AIは常に100%を維持することが可能です。
しかし人間は、自身の100%を超えられる可能性とポテンシャルを秘めているのです。

常に努力をして自分の腕をしっかり磨くことも大切ですが、変化に柔軟に対応する力が今後の飲食業界に生きる人たちに必要といえるでしょう。

あわせて今後の外食産業・飲食店は料理・サービス、収益のためだけではなく、働くスタッフの労働環境をしっかり考えていく必要があります。

「飲食業界はブラックが当たり前だ」と変える努力をしない企業・飲食店は、どんどん変わっていく今後の飲食業界から置き去りにされてしまうでしょう。



まとめ

外食文化が始まった江戸時代から、日本の飲食シーンはどんどん進化・変化を続けてきました。そしてこれからもどんどん進化・変化をしていくでしょう。

その中で私たち自身も変わっていかなければいけません。

現在、日本の飲食店は60万店舗以上といわれています。

新型コロナウイルス感染症の影響もあり減少傾向に辿っていて、飲食業界も少し落ち着いてしまっているようですが、こういった状況下でも変化に対応して頑張っている飲食店・企業がいることも事実です。

ダーウィンの進化論の言葉ではありませんが、「変化するものが生き残る」のです!

だからこそこれからの外食産業・飲食店は「変化に対応する力」が必要だといえるのです。




この記事を書いた人
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クックくん

食べるのも料理するのも大好きなアラサーフリーター。
休日は美味しいものを求めてプチ旅にでます。
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